自己破産のデメリットは?
自己破産は、借金をゼロにするという強力な効果を生ずる反面、デメリットもあります。
そして、そのデメリットのみが強調され、破産すること自体に強い抵抗感を持つ方が少なくないようです。
債務整理の手段を検討するにあたっては、自己破産のデメリットを正しく理解することが重要になります。
一定以上の財産は処分する必要がある
手続費用や、債権者への配当に充てるために財産の処分が求められますが、
以下のような財産については処分しなくてもよいとされています。
- 99万円以下の現金
- 処分した場合の見込額が20万円以下の自動車・バイク
- 残高が20万円以下の預貯金(複数ある場合はその合計額)
- 見込額が20万円以下の生命保険返戻金(複数ある場合はその合計額)
- 家財道具(一般的なもの)
- その他
基準は裁判所によって異なるため、これは一例となります。
官報に掲載される
手続きの過程で、氏名や住所などが官報に掲載されます。
もっとも、官報は一般に読まれるようなものでないため、家族・知人・周囲の人々に知られるということは容易には起こりません。
資格制限(職業制限)がある
破産手続きの期間中、警備員や保険外交員など一定の職業にある人は、その仕事を行うことができません。
制限を受ける職業にある人は、手続き期間中は事務仕事などの他の仕事ができるよう、会社側との調整が必要となります。
なお、破産手続きが終わればこの制限は解除されます。
また、この制限を受ける職業にあたらない場合には、会社に自己破産の事実を知られずに仕事を続けることが可能です。
もっとも、会社から借入などしている場合には、自己破産の通知が債権者である会社へなされるため注意が必要です。
ブラックリストに登録される
自己破産に限らず、債務整理をすると信用情報機関にその情報が登録され、5〜10年の間、新規の借入れができなくなります。
ショッピングローンや、携帯電話の割賦販売についても利用ができなくなるため、原則として買い物等は一括払いですることになります(債務整理共通)。
居住制限がある(管財事件のみ)
破産手続きの期間中、引越しや旅行をする場合には裁判所の許可が必要となります。
極端に不審でない限りは、許可を受けられるので通常は問題となりません。
なお、破産手続きが終わればこの制限は解除されます(数ヶ月間)。
郵便物が破産管財人に転送される(管財事件のみ)
破産手続きの期間中、申立人あての郵便物は破産管財人に転送されます。
これは申立人の債務や財産について調査をする目的で行われます。
なお、破産手続きが終わればこの転送は終了します(数ヶ月間)。